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蜂インザヘッド 

ものすごく考えているか、まったく考えていない

「ブンゲイファイトクラブ落ち

た。ブンゲイファイトクラブ、落ちた!!!」と仁王立ちになって大声で報告したところ同居人は「はっは、こりゃバランスだね。三回目は何を書いたって落ちたね」とぬいぐるみを膝に乗せて言い、いや一次選考は作品だけで選ぶんだからと反論すると「有名作家の誰それも雑誌に別名義で投稿してボツになったことがあるそうだよ」などとすまし顔で返してくるので、こんなになぐさめ上手な人だったっけと呆気に取られて少しショックがやわらいだ。

 

けれどその後一日仕事は捗らず。普段は日中Twitterに制限をかけているのに違法な手段(シークレットウィンドウ)でTwitterを開いて悲喜こもごもを眺めてしまった。ブンゲイファイトクラブめ……。落選にはなんとなく納得感があって、たとえばBFC2だと「現実でふしぎなことは起こらないようにしよう」(結局2回戦で使ってしまったけど)とか、毎回自分に課題を出しているんだけど、今回は得意技を封じてみようとして封じることの意味を掘り下げきれなかったと思う。とか、単に練り不足だとか、描きたい物語に対して尺が足りていなかったとか、そういうことを素晴らしい落選作品の数々を読みながら、感じております……。モチーフ自体は非常に気に入っているのでもっと長く書き直すのもありかなと思う。

 

落ちたことはすごく悔しいけれど、すべてを吹き飛ばす超大型台風が地元をすり抜けていったような落胆と、少し安堵するような気持ちが、認めたくないがあります。大人になってからあんなにがんばったことはない。自分がいかにつまらない人間か明日とうとうばれるんだと、あんなに怯えたこともない。どういうわけか自作を異様な熱量で読み込んでくれる人が次々に現れて泣きたい気持ちになったこともない。本戦に進まれたファイターおよびジャッジの方々はこれから超大型台風に吹き飛ばされることでしょう。がんばってください。私も一緒に吹き飛ばされたかったよ~。

 

十一月の予定が空いたので、事前の宣言どおり古典文学の現代語訳と関連作品をたくさん読んで長編を書くことにした。さっそく図書館で町田康の『ギケイキ』一・二巻を借りてきた。めちゃくちゃふざけている。宇治拾遺物語方丈記梁塵秘抄を読みたいし、古川日出男の『平家物語 犬王の巻』もアニメ映画公開までに読みたい。毎日のように自分に裏切られていて、一日にできることの少なさを思い知らされ続けているけれど、ちょっとずつでもやっていきたい。