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蜂インザヘッド 

ものすごく考えているか、まったく考えていない

鳩それぞれ

数日前から調子を崩していた胃腸は微不調くらいにまで回復した。ゼリーとポカリしか口にできなかった発症日から、りんご、どん兵衛、カステラ、おじや、ヨーグルト…とあやすように優しい食べ物を食べて、今日はもうほぼ普通に戻った。まだがっつりラーメンとか揚げ物という気分にはなれない。今日はサバを食べる予定。

 

天気が良いので散歩がてら外で作業をした。喫茶店のまわりには鳩がたくさんいて、窓際の席からずっと鳩が見えていた。日向でしゃがみこむ鳩、けんかをする鳩。暖かくなってきたせいか求愛行動をとる鳩も多い。小柄な(たぶんメスの)鳩をぶっとい(たぶんオスの)鳩が激しく追い回している場面を見かけることがよくあって、いつもキッショ~と思いながらじっと見てしまう。ブロロ! ブロロ! と鳴き声をあげ、首を激しく振りたてながら逃げる相手をどこまでもどこまでも追いかけていく。その感じが、あまりに情緒がないというか、性欲!!! という感じがして嫌だなあと思う。かと思えば、小柄な鳩同士がイチョ……イチョ……チュッチュ……という感じでキスしていることもある。こっちは一方的な感じがしないからまだマシだけれど、いちゃつき方が終電間際の南海難波駅にいるカップルみたいに生々しくて、見ているこちらはなんとなく気まずい思いをする。

このあたりの鳩は外のテラス席にいると図々しくテーブルの上に乗ってくるのだが、人の反応もまた色々だ。鳩に敵意を剥き出しにするおばあさんもいる。おばあさんは乗ってきた鳩を触れないように追い払って、地面にいる鳩にも足を振り回して威嚇する。おばあさんが去って、次にその席に座ったご婦人は、ぜんぜん鳩を気にしない。トレイをつつかれても嬉しそうに眺めているし、隣の席の人と鳩のことで何か談笑している。最後には買い物袋からパンを一つまみちぎって取り出して鳩に分け与えたものだから、他の鳩たちがめざとく寄ってきてテーブルの上は鳩が咲いたようになって、それでもご婦人は笑いながらどこかへ去っていった。話しかけられた隣の席の人も終始にこにこしていた。鳩もそれぞれ、人もそれぞれだなあと思った。

灯油問題

今年も灯油問題に悩む時期になった。灯油問題とは、ストーブ用の灯油をいかに上手く使い切るかという問題のことだ。基本十八リットルを一単位として購入するので、暖かくなる頃に購入してしまうと大量に余らせることになる。なので寒さに我慢できない時にだけ点火してちびちび使うのだが、この判断が結構難しい。この季節になると夜にストーブがなくても我慢できなくはないし、春先は気候が安定しないので寒さが戻ってきた時のためにとっておきたくもある。が、時機を逃すと使いどきを逃すかもしれない。今現在ストーブの灯油タンクにちょうど満杯分の灯油が残されていて、これが手持ちのすべてだ。

 

今日は体調を崩して寝込んでいた。朝からなんとなくだるくて起き上がれなかったのだが、昼になると熱が出てきてお腹をくだした。食欲がまったくなく、しかし解熱剤を飲みたいので無理やり起きて買い物に行った。カバンに買った物を詰め込んでいるところで急に気持ち悪くなってきて、近くのトイレに入って吐いてしまった。何か悪いものに当たったらしい。思い当たるのは昨日飲んだ牛乳で、数日賞味期限が切れていたのを消費しようとたくさん飲んだのでそれのせいかもしれない。或いは、嘔吐まで起きているところを見ると一昨日の牡蠣、という可能性もある。昨日は牡蠣食べてなんか元気な気がするな〜とか言っていたのに今日はこのザマだ。「昨日の牡蠣は今日のノロ」っつってね。ガハハ。とかご機嫌なダジャレを言っているが、実際にはゼリーすら食べるのがきついし今も食欲がまったくない状態でベッドに伏せながらこれを書いている。りんごか豆腐くらい食べようかな。でもまあ、学生時代にノロウイルス(たぶん)に大吉大当たりして病院にかかって相当苦しんだことあるけど、それよりはだいぶましだ。小吉くらい。二三日の我慢だろう。

魔法のような午前中

朝起きてから昼ごろまで異様に頭の調子が良かった。思考がすっきりと冴えている。雑念が湧かない。すべきこと、すべき順番が即座にわかる。複数のトピックを同時に考えても混乱しない。何かするついでに床に転がったままの物をちょいと拾って戻す、なんていうことができる。朝から長らく薄汚れていた流しを磨いて洗濯物を畳み洗濯をした。なんだこれは。なんなんだこれは。

普段の私、特に冬の私はゲーム下手な人がやるゲームによく似ている。やるべき行動があって、それをしようと操作コマンドを打ち込むのだが、実際にはぜんぜん別の動作が出力されるのだ。モンハンでリオレウスがブレスチャージしてるのに肉を焼き始めてしまう感じがずーっと続いて、気がついたら日が暮れてへとへとになっている。今日はなぜだかそれがない。やろうと思う→実行する、以上だ。というか、そういう状態を脱して思うけど普段の私ちょっと異常ではないだろうか。なんか、冬季鬱とか、病院とか行った方がいいのか? でも毎年春になると小マシになるから行かないままになる。

急に頭がすっきりした理由を考えてみる。春が来て陽の光が強くなって暖かくなったから、これはひとつありそう。他にありそうなのは、食べ物? 昨日食べた物……牡蠣鍋。……亜鉛? なんかわからんけど牡蠣かもしれない。牡蠣すごい。サプリ飲んでみようかな。これ以上種類を増やすのは抵抗があるけど。

しかし調子が良かったのは買い出しに行ったところまでで、帰宅してパスタを山盛り食べたら眠くなって結局あまり仕事が捗らなかった。それでも油断すると虚無の淵に沈んでしまうような感覚はいつもよりだいぶマシだ。今日は風が強かった。

世界はダシだ

昨日は遠方で仕事だった。朝早くに出かけて午後に戻り、商店街で買い出しをして帰った。でかいビジネスリュックにド派手なエコバッグという格好でふうふう歩いていると、一本道の向こうから手をつないだ大学生くらいのカップルが来た。で、他に人影やそれらしきものがなかったので自意識過剰ではないと思うのだが、すれ違う少し手前で女の子の方がこちらを見て「あ、かわいい」とつぶやいた。男の子は少し黙ったあと「え……〇〇ちゃんのかわいいって時々わからへん」と返した。ふたりは一緒に、えへへ、と笑った。

ふたりとすれ違ったあと、しばらくしてから私は思った。おい、私は今「互いの感性にズレがあるものの、そのズレをこそ好ましく愛しく思い合っている若い恋人たち」のダシにされなかったか? と。おい、それ動物園でやるやつだろ。マレーグマやアルマジロですらなく、ヤブイヌとかケープハイラックスでやるやつだろ、その会話は。

 

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ケープハイラックスの参考画像①

 

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ケープハイラックスの参考画像②

 

一応言っておくと「あ、かわいい」「ほんとだ、かわいい」というやり取りならばまず自分のことだとは思わない。死角に猫がいたのだと考える。判断が分かれる、ここが重要で、その時付近に判断が分かれそうな物体は、はばかりながら申せば私だけだったのである。マスクはしていたから、目つきと姿勢と挙動がちょっぴり変な人間であることが一瞬にしてバレたのだろう。くそう、ダシにされた方はなあ、結構分かるんだぞ。何せこっちは三十年以上もケープハイラックスをやっているんだからな。

などと書いてはみたが、実際のところそこまで気にしてはいない。ちょっと怒ってみたら日記が面白くなるかと思って怒ってみただけのことである。滑稽みが制御できない人生を送っていると、空想に浸るあまりに目がバキバキに据わって不気味がられたり、大して話してもいない相手から馬鹿にされたり、謎に好かれたりという経験はよくある。むしろ若い恋人たちには世界中のあらゆるものをダシにしてどんどん仲を深めていってほしいと思っている。

 

食事の時間に少しずつ観ていた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観終わった。シャロン・テート事件が下敷きになっていることは知識としては知っていたが、こわい事件があったんだっピねえくらいの理解度で観始めたため、クライマックスまでの場面場面が長く、展開がゆるく感じた。ムービーウォッチメンでは「我々は最後に何が起きるのかすでに知っているので、その一点で緊張感が保たれる」と評されていた(うろ覚え)と記憶しているが、そこを差し引いてもちょっとゆるい。それは、この作品が映画の外の時間を描いた映画だからだと思う。映画はすべての場面に意味があり(あった方が良く)、一方現実は場面場面が長く展開がゆるい。前夜に飲みすぎてセリフを飛ばしまくってしまう場面のグダグダ感がいい例で、映画の撮影現場だってやっぱり現実のグダグダした時間に属している。それでもいい場面が続くので観ていて楽しかった。前述の場面のあと、トレーラーで自己嫌悪の嵐に苛まれて「俺はなんであんなに飲んだんだ! 練習したのに……アル中野郎! もう飲まない!」と大暴れしながらいつもの癖でスキットルをグビッとやってしまい、そのことに気づいてワ、ワァ〜〜〜ッ!!(泣)とちいかわになっちゃう場面がお気に入りだ。

 

昨夜は谷脇クリタさんとバゴプラの井上彼方さんが『かぐやSFアンソロジー(仮)』のタイトル決め会議をツイキャスでやっていたのだが、夕飯後に睡魔に襲われて意識を失い、目が覚めたらもう終盤だった。まとめに入っているのに新たなタイトル案を投下して場を混乱させた。かっこいいタイトルに決まるといいですね。

バゴプラでは現在、新しいSF書籍レーベルを立ち上げるクラウドファンディングを実施しています。

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