/* 本文の位置 */ #main { float: left; } /* サイドバーの位置 */ #box2 { float: right; }

蜂インザヘッド 

ものすごく考えているか、まったく考えていない

鳩それぞれ

数日前から調子を崩していた胃腸は微不調くらいにまで回復した。ゼリーとポカリしか口にできなかった発症日から、りんご、どん兵衛、カステラ、おじや、ヨーグルト…とあやすように優しい食べ物を食べて、今日はもうほぼ普通に戻った。まだがっつりラーメンとか揚げ物という気分にはなれない。今日はサバを食べる予定。

 

天気が良いので散歩がてら外で作業をした。喫茶店のまわりには鳩がたくさんいて、窓際の席からずっと鳩が見えていた。日向でしゃがみこむ鳩、けんかをする鳩。暖かくなってきたせいか求愛行動をとる鳩も多い。小柄な(たぶんメスの)鳩をぶっとい(たぶんオスの)鳩が激しく追い回している場面を見かけることがよくあって、いつもキッショ~と思いながらじっと見てしまう。ブロロ! ブロロ! と鳴き声をあげ、首を激しく振りたてながら逃げる相手をどこまでもどこまでも追いかけていく。その感じが、あまりに情緒がないというか、性欲!!! という感じがして嫌だなあと思う。かと思えば、小柄な鳩同士がイチョ……イチョ……チュッチュ……という感じでキスしていることもある。こっちは一方的な感じがしないからまだマシだけれど、いちゃつき方が終電間際の南海難波駅にいるカップルみたいに生々しくて、見ているこちらはなんとなく気まずい思いをする。

このあたりの鳩は外のテラス席にいると図々しくテーブルの上に乗ってくるのだが、人の反応もまた色々だ。鳩に敵意を剥き出しにするおばあさんもいる。おばあさんは乗ってきた鳩を触れないように追い払って、地面にいる鳩にも足を振り回して威嚇する。おばあさんが去って、次にその席に座ったご婦人は、ぜんぜん鳩を気にしない。トレイをつつかれても嬉しそうに眺めているし、隣の席の人と鳩のことで何か談笑している。最後には買い物袋からパンを一つまみちぎって取り出して鳩に分け与えたものだから、他の鳩たちがめざとく寄ってきてテーブルの上は鳩が咲いたようになって、それでもご婦人は笑いながらどこかへ去っていった。話しかけられた隣の席の人も終始にこにこしていた。鳩もそれぞれ、人もそれぞれだなあと思った。