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蜂インザヘッド 

ものすごく考えているか、まったく考えていない

壇ノ浦

仕事をしっかりめにやる日というつもりでいたが昨日遠出したダメージから回復できず、まったく捗らなかった。長めの散歩ができたのでそれはよかった。

 

予約した本を受け取りに図書館へ。今日はどうせ捗らないしなという諦めもあって、以前から読みたかった古川日出男平家物語 犬王の巻』を閲覧席で一気読みした。面白かった。平家物語の時代からぐっと下った足利義満の時代が舞台。美醜の扱いについては、昔話的な素朴さで描かれていて若干気になった。劇場アニメも楽しみだな。楽しみだよ。

先日BFC3に「嵐が耳に」という掌編を投稿して落選したんだけど、それは二人の女の子が湖の底から古代の遺物を拾うために過酷な素潜りをして競い合うという話だった。書いている間はあまり意識していなかったものの、素潜りは物語をつくることの(少しあからさますぎる)比喩だったと思う。『犬王の巻』では壇ノ浦に沈んだ平家の遺物を漁ることで栄えてきた潜り手一族の子・イオノトモナが神器引き揚げの現場に立ち会って失明し、平家ものを専門とする琵琶法師の弟子となって放浪する。その旅の中で他の琵琶法師たちは平家の落人たちが隠れ住む平家谷に赴いて新説や異聞を”拾う”のだという話を耳にし、「それならば海に潜るのと同じことだ」と自らの出自と琵琶法師の営みを結びつけて納得する場面がある。わあ、同じじゃん、と思った。古川日出男訳『平家物語』を読み終えたばかりだったから、間接的に同じものを受け取ったのかもしれない。それにしても嬉しいというよりは、書き下ろし中編の数行に元ネタを見透かされたようでいたたまれない気持ちになった。

 

今日は月蝕だった。家を出て少し行ったところに人溜まりができていて、どの人も空を見上げていて、天変地異って感じでよかった。カメラを引っ張りだしてきたけど三脚がないのでこれが限界だった。

 

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ブレた写真もこれはこれで面白い。

 

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夜空に尻が浮かんだようなのや

 

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きのこの幼菌のようなやつとかね。