点取日記 1 夏休みと毛穴
休みだったので家でだらだら仕事の後処理をした。
大雨が去ったあとのカンカン晴れで、布団のシーツを干しにベランダに出ただけで肌がジュッと焼けるような感覚があった。
猫を撫でたりスマホでゲームしたり、気が向いたら仕事の後処理をし、家族でサイゼリヤに行って、なんだこれ夏休みじゃんと思って午後6時くらいまで過ごしていたら、メールが1件届いた。
私は今通い仕事の他に在宅仕事を持っている。件数が多くて単価は高くないけれど、気楽にできる内職のようなものだ。
今月の締切は明日の午前中だが、余裕をもって昨日のうちに提出していたので、なんだろうと思った。
メールにはお礼のメッセージとともに「1件修正をお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」と書かれていた。
よくよく読んでみると、クライアントから予期せぬ要望が追加されたので対応してほしいということらしい。
ただ修正を1件と言っているのだが、それは実際には今月担当した260件あまりすべて、という意味だった。
どわっと毛穴が開いた。
繰り返すが締め切りは明日の午前中だ。
おそるおそる確認してみると、できる範囲でいいです、申し訳ない。残りが出たら引き取れます。とのことだったので毛穴は半開きくらいまで閉じた。
いや1件あたりの作業は歌いながらでもできるくらい簡単だし、担当の人には恩もあるし、必要な作業ならぜんぜんやるしいいんだけど、1件と言いつつ実は260件だったショックは大きいのだ。
ここはせめて、「260件修正をお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」と言うのが誠実ではないでしょうか?
1発殴らせてもらっていいでしょうか?
というわけで今日はこれから「伊集院光 深夜の馬鹿力」を聞きながら内職をする。
「どこでもくすぐってください 4点」
点取占いには「誰が言ってるんだ問題」というのがある。
点数には1点から10点まであって、よい占いほど高い点数がつく。
4点は中の下というか、「うーん、こういう日があってもいいんじゃないですかね」という雰囲気だ。
この占いはどっちだろう?
まったく見知らぬ人に急にこう言われた状況なのか私が言わされているのか。
誰かにくすぐられるのは最悪すぎるので、前者だろうか。
知らない人にこう言われたらどこをくすぐろう。
背中かな。背中はあんまりパーソナルな感じがしないから。
背中にします。