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蜂インザヘッド 

ものすごく考えているか、まったく考えていない

意外と洗脳されやすいかもしれない

ちょっと汚い話をします。

 
糸巻き型のデンタルフロスを買った。最近ストレスで胃が荒れているのか、唾液が減ってきたのか、理由はわからないけど口の中が気持ち悪いのをどうにかしたかったからだ。
 
デンタルフロスといえば私のイメージは漠然と「アメリカのドラマ」である。なかでも、強迫性障害に悩みながらそれがまた才能でもある「名探偵モンク」のエイドリアン・モンクが真っ先に浮かぶ。モンクは極度の潔癖症で、いつもポケットにデンタルフロスを入れている。あとはどこで仕入れたのか分からないが、米ドラマに登場する嫌味で神経質でカンの外れたアホ上司が歯の間をキュコキュコやりながら「しっかりやってくれたまえよピーターくん。失敗しても私に一切責任はないからね(CV:中尾隆聖)」というイメージだ。
 
近所のドラッグストアで生まれて初めてデンタルフロスを購入した。買ったのはREACHのワックスタイプのものだ。初心者マークがついていて、通常より小さいお試しサイズだったので、これなら失敗してもよかろうと思った。アメリカっぽい(と私が思う)素っ気ないパッケージもかわいい。
 
 
帰って早速試した。容器についているカッターで40cmほどを切り取る。このカッターがまた家庭科の時間に使った裁縫箱のカッターみたいにちっちゃくてかわいらしい。端っこを左右の中指に巻きつけて、慎重に歯の隙間に入れ、前後に動かして歯垢をこそげとる。
 
ウギャーッ!本当に叫んだ。汚すぎる。取れすぎる。オエー!お母さん!お父さん!私の歯と歯の間にダゴンが!ダゴンがいるよー!ああ、窓に!窓に!という調子で、描写しようとすると言語野が焼ききれそうなのでやめておきたい。
 
もうマジで目からうろこというか、「世界線が変わった」くらいの衝撃だった。あの瞬間、「私の口臭、臭すぎ…?」という例の広告にこの世で最も近かったのは私だ。耳の穴とへその穴が一個ずつ増えた!くらいの変化だった。へその穴も時々オイルで掃除すると楽しいので、やったことない人にはおすすめします。
 
衝撃が落ち着いたあと、絶望が来た。私はこんな汚れを隠したまま人と平気で会っていたのか…。でも私にはもうREACHがある。デンタルフロスを毎日続けていれば、ダゴンともクトゥルフともおさらばハッピー。なんだかREACHが愛おしくなってきた。出会ったばかりだけど、頼もしい相棒のようだ。ありがとう、ジョンソン・エンド・ジョンソン。消しゴム効果でツルツルの白い歯が手に入るというREACHホワイトニング歯ブラシも欲しくなってきたよ…。
 
ここでいきなりタイトルに戻るんですけど、この「既存の価値観の破壊→絶望→救いの道の提示→熱狂的な信奉」っていうプロセス、図らずもカルトの洗脳手法と同じじゃないですか?ジョンソン・エンド・ジョンソンがカルトだって言ってるのではなく、私のした体験がカルトのそれに近いっていう意味です。REACH最高!!

猟友会への入会と牡丹鍋

猟友会の人に挨拶してきた

土曜日、初めて地元の猟友会の人に会ってきた。入会手続きのためだ。郵送でも済む手続きだったけれど、一度じかに会っておきたかったので時間を作っていただいた。
今年の狩猟解禁日に向けて、これまでにやってきたことは次の記事で書いた。
 
入会のための書類を郵送してもらったあと、支部長さんに電話して、土曜日に伺ってもいいでしょうか、と訊いた。
 
「土曜は山に行ってるから、帰る時間がはっきりしないけど、いいよ」
 
とのことだったので、ひとまず約束をした。
当日の昼、家から電話してみるとまだ山にいるとの返事。戻る時間を知らせてもらい、出発した。
地元の猟友会は隣駅から歩いて15分くらいのところにあった。こんな近くに猟友会があったとは驚きだった。
 

解体中のイノシシの洗礼

少し道に迷いそうになったが、細い道を辿って猟友会に着いた。というよりも、地図に沿ってふらふら歩いていたら軒先でイノシシが二人がかりで解体されていたので、そこが猟友会だと分かった。イノシシはすっかり皮と内臓を取られ、きれいな肉の塊になっていた。体の大小に限らず、食べる目的で生物を解体していると途中で意識が転換する。初めは「生き物だな。」と思っていても、途中で「食べ物だな。おいしそう。」というふうに。私が猟友会に着いたとき、イノシシはちょうどグラデーションの真ん中くらいにあった。「生き物だな。おいしそうだな。」と思った。
 
「びっくりしたでしょう」と言われたので、素直に「はい」と答えた。
 

猟友会の人はやさしかった

支部長さんが作業の手を止めて入会手続きをしてくれた。銃猟と網猟をしたいこと、銃の手続きがまだなので今年は網猟だけをしたいことなどを話すと、うんうんと聞いてくださって「何を捕りたいの?」と尋ねた。「始めは、まあスズメとか、ゆくゆくはカモも」と答えると、支部長さんは「最近はスズメも少なくなってきてるから、スズメなら簡単に捕まるということもないよ」と言ってから、この地域の狩猟についていろいろ教えてくれた。
住宅街と思われがちなこの地域にも、たくさん野生動物がいること。とくにアライグマの農業被害がひどいこと。イノシシの被害もひどいこと。わなを仕掛けても、まず付近のアライグマを捕り尽くしてからでないとイノシシがかからないこと。イノシシは味噌だれで食べるのがおいしいこと。自分は昔猟犬を育てて鳥猟をやっていたが、今はもっぱら有害駆除員として活動していること。狩猟をを始めて50年になること。若い世代の猟師は増えているものの、全体としては衰退の一途であること。などなど。
去年捕ったという獲物の写真を見せてくれて、私はそれを見て「生き物だな。」と思った。
 

イノシシの肉をもらった

イノシシの肉持って帰る?と言われたので、郵送で済むところを押しかけて肉までもらって図々しいようにも思ったけど、ありがたく頂戴した。3つあるという冷蔵庫には冷凍肉がたくさん詰まっていた。
 
翌日、さっそく牡丹鍋をした。

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教わった通り味噌仕立ての鍋にして、ごぼうのささがきをどっさり2本分入れた。白菜や葱もたくさん入れて、肉はイノシシだけだったけれど、出汁がすごく出ていたのでそれで十分だった。変なにおいもないし味が濃い。夢中でわしわしと食べてお腹がいっぱいになった。昨日見せてもらったイノシシの死体の写真を思い出しながら、「あー、食べ物だなあ!」と思って、食べた。本当に本当にごちそうさま。美味しかったです。

カメと一緒に育った私がすっぽんを捌いて食べる

ついに野良すっぽんを食べた

すっぽんを食べる会に参加した。すっぽん料理屋に行く会ではない。そのへんの川で捕らえたすっぽんを自分たちで調理し、すっぽん鍋を食べる会だ。この機会を得たのは「出勤日の昼休み中にすっぽんを捕らえる」という難業に加え、泥抜きや調理の工程についても、海底クラブ氏の運と根気のおかげだったと断っておきたい。

 

偶然出会ったすっぽんを捌いて食べる - 海底クラブ

※2015/11/09追記 海底クラブ氏がすっぽんの捕獲から同居、料理までを記事にしています。

私は当日、主に撮影係をしていた。この夏はすっぽん釣りに出かけても手ぶらで帰ってばかりだったので、念願が叶ってとても嬉しかった。

 


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すっぽんの捌きはかなり難航した。事前にネットで捌き方を調べてはいたものの、メンバーに経験者は一人もいない。結果として、すっぽんをかなり苦しませることになってしまった。首を落とし、血を抜き、甲羅を開いて、部位に分ける。文章にすると簡単に見えるがすっぽんも命懸けだ。実際にはすぐ首を引っ込めて自前の要塞に籠城をする。

 

一度引っ込んだ首を引っ張りだすのは、成人男性でも難しい。そしてもちろん噛みつこうとしてくる。甲羅という守りの戦略はとても有効なのだなと思った。

 


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すっぽんが動かなくなってから(というのは、いつ死んだのか・何をもって死んだと判断するのかわからないので)の作業はスムーズだった。食べられるのはエンペラと呼ばれる甲羅のフチのプルプルしたところ、頭、手足の筋肉と、心臓などの臭みや衛生面にリスクのない内臓類だ。

 


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すっぽん鍋は余計な具材をあまり入れず、調味料も最低限にとどめた。食べた感想を率直にいえば、おいしかったが、もう少し伸びしろがあったかもしれないというところだ。多少の臭みはそういうものだと思って食べていたら、途中からどんどん臭いが消えて旨味が出てきた。すっぽんの肉は炊けば炊くほどおいしくなるタイプらしい。もったいないことをしてしまった。また、部位によっては非常に臭いのキツいところがあり、鍋全体を汚染してしまった。これらの反省は、機会があるなら次回に活かしたい。

 

すっぽんを食べる会の簡単なレポートはここまでだ。

 

ところで私は長年カメと暮らしてきた

話は変わるが、私は常にカメのいる家庭で育ってきた。4歳頃に両親がミシシッピアカミミガメを2匹買ってくれたのが始まりだ。子どもの情操教育が目的だったのだろう。以降はおもに父の趣味として、カメはどんどん増えていった。

 


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20年以上が経ち、これまで迎えたカメは水棲と陸棲を合わせて10匹以上。ここ数年で少し減ってしまったものの、今でも家には4匹のカメがいる。

 

そんな環境で育ってきた私にとって、カメはそこにいて当たり前の生物だ。血を分けた兄弟とまで言うと言い過ぎだが、とかく同列に語られがちなハムスター小鳥ザリガニカブトムシ等々と比べても、別格の存在だ。どれくらい別格かと言うと、私にはカメの気持ちがわかる(と思っている)。「日光が気持ちいいな」「上に乗ってくる奴がいて不快だ」「エサを取られて腹が立つ」など、仕草を見ればおおよそ感じ取ることができる(と思っている)。

 

食べて良い/悪いのボーダーライン

そんなカメと義兄弟の私が、すっぽんを食べてもなんとも思わないかというと、もちろんなんとも思う。私は肉が大好きだから「いかなる動物も犠牲になるべきではない。草を食べて生きていきたい」とはさらさら思っていない。けれど、「世の中食うか食われるか。お前にはとっては家族でもおれにとっては今夜のおかず」と考えるほど割り切ることもできない。

 

ここのところの気まずさは、小鳥を飼っていて焼き鳥が好物という人や、ハムスターを飼っていてヌートリアが好物の人も同じだろう。ヌートリアが好物な人はあまりいなさそうですね。

 

突き詰めて考えるとなかなかに心が痛む。そこで今回、私の出した結論は「すっぽんはカメではない」だ。


すっぽんはカメではない。甲羅のフチがプルプルしていて変だし、独特の顔をしているし、昔話でのキャラクターや、やたら下ネタとの結びつきが強いのが妖怪っぽいから。「味噌煮込みうどんはうどんではない」と同じで、カテゴリのなかであまりにも突出したものは、別の一ジャンルとして認識できる。すっぽんはカメとして変なので、私の義兄弟たちとは違う生き物。「すっぽんはカメではない」。

 

カメでないなら食べても心は痛まない。初めから食材の引き出しに入れることができる。

 

クサガメ脱獄幇助事件

最後に、クサガメの脱獄を幇助したことについて書く。

夏のまだ暑い時期に、すっぽんを探しに数人で川へ行った。すっぽんは見つからなかったが、上にも述べた海底クラブ氏がそこらへんを泳いでいたとろくさいミシシッピアカミミガメクサガメを1匹ずつ捕らえた。

 

どちらも私の家で飼ったことがある種類だ。がめつくて粗野だけどなかなかかわいい連中である。クサガメの方は、今も家で元気に暮らしている。

 

しかし、海底クラブ氏は次のように言った。

「すっぽんも見つからないし、今回はクサガメ鍋にしようかな」。

 

クサガメ鍋に」「クサガメ鍋に」「クサガメ鍋に」…

 


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私は、「こいつマジ、野蛮人かよ」と思った。

そこで「臭腺があるから臭いよ」「甲羅が硬くて捌くのが大変」「ミシシッピアカミミガメ以外の種はシェアが押されている」「まだ大きくない、若いカメだよ」などと理屈を述べてクサガメの命乞いをした。ところが海底クラブ氏は一向に聞き入れない。

 

私は隙を見てクサガメを川に放した。自分のなかのペット枠が食われることに我慢ならなかったのだ。

 

クサガメは少し泳いでいったが、海底クラブ氏が呼ぶとなんとUターンをし、自ら再び捕まった。

 


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クサガメはアホなのだろうか?思い返せば、うちで飼っているクサガメも元々はそこらへんの川にいて、呼び寄せたらホイホイ近づいてきてあっさり捕まっていた。クサガメはアホなのかもしれない。

 

結局、クサガメは氏にお持ち帰りをされた。私も二度めの脱獄幇助をする気にはなれなかった。本来、狩猟のモラルに反することだからだ。アパートに持ち帰られたクサガメはその後、水槽代わりのバケツから謎の失踪をしたため鍋にはならなかったが、これは別の話だ。

 

クサガメを食べるなんてこいつマジ、野蛮人かよ」と思った時、ほんとに心からそう思った。でもその時、私も「すっぽんを食べたいな」と思っていたのだ。そして実際、今回食べてしまった。狩猟ではこのふたつの気持ちに向かい合わないといけないし、折り合いがつくことはずっとない気がしている。

 

おまけ

この文章を書くにあたってクサガメとすっぽんについて検索した。

 


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クサガメの検索画面。

 


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すっぽんの検索画面。


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 すっぽんはやっぱり食べ物だと思いました。

 


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(おわり)

狩猟解禁日まであと1ヵ月

人生ではじめての狩猟解禁日まで今日で1ヵ月を切った。
私は未だ出猟に向けての手続き途中だ。
11月15日に向けてやってきたことをまとめてみた。

4月

狩猟免許を取ろうと思い、本で知識を仕入れ始める。




などなど。

6月

狩猟試験の受験に必要な書類を揃えて申請する。

・住民票
・精神面の健康を証明する診断書(銃猟狩猟免許に必要)
・証明写真

などを準備し、猟友会へ。
平日の勤めがあるため、昼休みに抜け出しての申請だった。
一度訪問したものの、例会のせいで猟友会が閉まっており、泣きながら(嘘)扉の前で弁当を食べたのも思い出だ。
改めて訪問した時は、時間があまりなかったので、申請書を後日郵送させてもらった。

8月1日

狩猟試験の予備講習を受けた。
事前にもらったテキストに目を通していたことと、狩猟本で耳年増になっていたのが幸いした。
ひとつひとつの知識はそんなに難しくないのだけれど、とにかく量が多いのだ。どうしても飛ばすところが出てくる。
もちろん大事なポイントは押さえて教えてもらえるし、後日そのままテストに出たりもするのだけれど、前もって色々調べていて本当によかった。
模型銃を使っての実習では銃の重さに驚いた。今の体力ではとても猟に出られない。
次の月曜日、受験票を郵送で受け取った。

8月6日

狩猟試験の本番。
狩猟試験の筆記はそれほど難しくない。生き物と猟に普段から興味があって、自分で色々調べるのが好きならまず受かるのではないだろうか。テキストと問題集を何度かさらっていたので苦労しなかった。合格率も非常に高いが、それでも落ちる人は数人出ていた。
銃の実技試験では薬莢を床に転がすというポカをやった。この時のことを思い出すと本当に汗が出る。
帰り際に、猟友会の方に「少しヘマをしました」と言ったら「だいじょーぶだいじょーぶ」とあっさり言ってくれたのが心強かった。
実技で一番良くないのは、ポカをしたりもたついたりすることではなくて、諦めて投げ出してしまうパターンだそうだ。
それから猟友会の別の方は、「銃の実技はみんな緊張してるから意外と落ちないね。わなの方が油断して落ちやすかったりするよ」と言っていた。そういうものなのかもしれない。

9月10日頃

試験合格の知らせ。
これは免状ではないので、郵送で免状申込をした。

9月20日頃

免状を受け取った。

10月13日

猟友会に電話して、自分の住んでいる地区の支部長さんの連絡先を聞く。

10月14日

支部長さんに連絡し、入会用のハガキを出すように言われる。

10月15日 Now!

猟友会入会用のハガキを出す。

というところだ。

今はまだ猟師の免状を持っている人であって、11月15日の解禁日になっても出猟できない。手続きがまだまだあるのだ。解禁日までに書類が揃うのか、少し不安だ。