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蜂インザヘッド 

ものすごく考えているか、まったく考えていない

三十一日

晦日アナグマを食べた。いつかずっと食べたいと思っていて、生まれて初めてだったのでうれしい。同居人が出張先で知り合ったおじいさんからいただいた冷凍もので、同居人はこうしてよく旅先で見知らぬ人、それもちょっと変わった人に気に入られて厚意をかけられることがよくある。私にそういうことは滅多に起こらないが、こうしてたびたびご相伴に預かる。アナグマは味噌仕立ての鍋にして食べた。噂通り脂がのっていてコラーゲンが多く、甘みがあっておいしかった。赤身は赤身でほどよい噛みごたえがあり山の獣らしい濃い味がする。まだ半分ほど残っているから次は焼いて食べよう。

 

今年は『kaze no tanbun 夕暮れの草の冠』西崎憲 編(柏書房)に寄稿させていただいたり、大学の講義のゲストスピーカーに呼んでいただいたりして、印象深い年だった。けれど、それ以外はぱっとしなかったかもしれない。かぐやSFコンテストもブンゲイファイトクラブ鳴かず飛ばずだったし。犬街ラジオや文体の舵を取れでいろいろ書いて、掌編・短編が合わせて二十九本。うーん、やっぱり少ない気がする。なぜそんな気がするかというと、期限ぎりぎりになってあわてて書くことが多かったからだろう。良くない癖だ。来年は丁寧に書く、たゆまず書くことを目標にしたい。ここしばらく続けている日記は(丁寧には書けてないけど)気負わずに毎日書く体勢を作るつもりでやっていて、最近ようやく「書かないと気持ち悪いな」という状態になってきた。

 

今日は遅めに起きておせちを作った。筑前煮、酢れんこん、たたきごぼう、田作り。こんなもんでしょう。テレビがないのでインターネットと読書でだらだらして、もう少ししたら年越し蕎麦を食べる予定。家族が蕎麦アレルギー持ちなので実家にいた頃は年越し蕎麦を食べる習慣がなく、昨年初めてやってみたらごっこ遊びみたいで面白かった。もう何年かやったら身に馴染むかしら。来年もよろしくお願いいたします。よいお年を。