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蜂インザヘッド 

ものすごく考えているか、まったく考えていない

いとしの点取占い

今日はとても嬉しいことがあった。
点取占いを手に入れたのだ。

 
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この嬉しさをなるべく100%に近い数値で共有したいから聞くのだけど、みんなはそもそも点取占いを知っているだろうか?

 

点取占いはとてもよいものである。
点取占いは今、手に入れるのが難しい。
にもかかわらず私は点取占いを手に入れた。よって嬉しい。

 

以上。

 

点取占いとは昔、おもちゃ屋や駄菓子屋などで売られていた(と思われる)チープな占いくじだ。紙のパックに15枚の折り畳まれた紙片が入っていて、糊付けされたそれをめくって開くと、中にお告げと点数が書いてある。

 

このお告げと添えられたイラストが実に間が抜けているというか、人を食ったようなもので、一部に根強いファンがいるのだ。

 

いわく、

“自分の寝言は聞いた事がない 2点”
“たまにはよいことを言え 8点”
“便所の中で歌をうたっていたのはお前だろう 6点”
“私のすることは皆だめですか 6点”
“大丈夫安心しなさい 8点”
“げんこつをふりまわしてあばれた 3点”

 

というふうに、妙にニッチな予言をしてきたり、そもそもお告げでなく詰問や独り言のようであったりするのが点取占いの特徴だ。

 

上記の点取占いは宝島社の『VOW まちのヘンなもの大カタログ現代下世話大全』の特集「点取り占い様、名言集。」から引用した。そもそも点取占いを知ったのはこの本がきっかけだ。私が小学校低学年の頃の話だ。(今読むと明らかに子供が読む本でないのはこの際置いておきたい)

 

そこにずらりと収録された点取占いは、どれもふざけていて、でも大真面目な口調がおかしくて、絵は落書きみたいだった。小学生の私は「こんなものわざわざ作って売る大人がいるんだなあ」と大笑いしながら呆れたが、今思えばこういうものが世の中にあることに少しほっとしていたのだと思う。大げさな言い方をすると世の中に希望が持てた。

 

上で「おもちゃ屋や駄菓子屋などで売られていた(と思われる)」と書いたのもそのためだ。Wikipediaの情報では昭和10年から売られていたらしい点取占いの全盛期を私は知らない。『VOW』が発行された昭和62年(1987年)時点ですでに「レトロでおもしろい」という扱いだった様子がうかがえる。
戦前から販売されているだけあって、旧仮名遣いのものも混ざっているらしい。最高だ。

 

その後大きくなって、高校生の頃に大好きだったヴィレッジヴァンガードヴィレッジヴァンガード!!)で売られていたのを嬉々として買って遊んだりもしたのだが、開いた点取占いはいつの間にか捨ててしまったらしく、見つからない。バカ野郎。

 

点取占いは東大阪市のワカエ紙工株式会社で作られていたが、廃盤になってしまった。

tatsuyatoys.osakazine.net

時期はよくわからないが、こちらによると昨年10月には生産終了していたようだ。

 

今年の5月に廃盤の話を知って無性にさみしくなった。あのいい加減さが、あの占い未満で詩未満のような言葉が、あの絵の上手い人がテキトーに描きましたみたいな絵がもう見られないなんてつらすぎる。

 

すぐにあちこちの玩具問屋に問い合わせたりもしたのだけれど、どこも「ないですねえ」という反応だった。中には「もう何年も前に廃盤になったよ」と言った人もいて、結局生産終了の時期はよくわからない。
ひなびた駄菓子屋の片隅などで今も忘れられている気はすごくするけれど、問屋だとか通販だとか、どうも簡単には買えなさそうでその時はあきらめた。

 

それが、手に入ったのだ。見つけた経緯はまた後日書くつもりだけど、見つかったのだ。5パック。
私は思った。この点取占いを大事にしよう。もしかしたら生涯最後の点取占いになるかもしれないのだから。

 

いっきに全部めくらない。
めくった点取占いはスクラップして保存する。
ひとつひとつの点取占いを噛みしめて、味わう。

 

そこで今日からひとつずつ点取占いを開け、その日その日を振り返りながら、このブログにアップしていくことにした。名付けて「点取日記」だ。
自分にプレッシャーをかけると物事を投げ出すタイプなのでなるべく、そして日記はあくまで点取占いの添え物、ということにするが、これを読んでくれているあなたも、点取占いをめくる気持ちで付き合ってくれると嬉しい。

 

入手できたのは5パック。1パックにつき15枚入っているから、75日分だ。

 

 

まずは記念すべき1枚目をめくってみよう。

 

 
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この日焼けを見よ

 

 
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よし。