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蜂インザヘッド 

ものすごく考えているか、まったく考えていない

出町座で「バーフバリ/伝説誕生」「バーフバリ2/王の凱旋」を見た

 
 
王を称えよ…。
 
 
 

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遅ればせながらバーフバリを見ました。京都の出町座で「バーフバリバリ/伝説誕生」「バーフバリ2/王の凱旋」の一気見上映。結果ぶじ王国民となり、「興味があるなら絶対行った方がいい」とおすすめするエントリを早朝から書いています。どうせ興奮で目さえて寝られへんしな。あとなんか肌がツルツルしてる感じする。健康増進、滋養強壮、満願成就、バーフバリ。
 
感想を兼ねてなるべくネタバレを避けながらおすすめポイントを並べます。
 
・三世代、半世紀にわたる一大叙事詩
 
数多の国を束ねる強国・マヒマシュティ王国の王座をめぐる因縁の物語。巨大な滝のふもとの村で育った主人公シヴドゥは、幼い頃から山の頂上に何があるのか知りたくてたまらない。母に禁じられても滝登りに挑み続け、滝に鍛えられ立派な青年に成長したシヴドゥ。ある日流れてきた1枚の美しい仮面をきっかけに、己の出生の秘密に触れることになり…というストーリー。典型的な貴種流離譚で神話やおとぎ話の色が濃く、マジモンの大河が出てくる大河ドラマでもあります。
 
王座を中心にキャラクターたちの野心や愛、嫉妬、そして民を思う心が渦巻いてそれはもうえらいことになる。前後編2本で5時間弱あるんですけど、50年の歴史に比べたら実質一瞬です。大丈夫です。
 
・心の柳田理科雄を首チョップで黙らせろ
 
派手なCGとワイヤーアクションを多用した戦闘シーンが最高。脳がしびれる。動物たちの質感が謎。ちょいちょい叫びそうになって(笑い、驚き、燃え)我慢するのが大変だった。スタイルは合戦奇襲一対多勢タイマン、武器は剣棒術槍戦闘車素手とシチュエーションも豊富。知恵を振り絞って繰り出される奇妙な戦法は荒唐無稽ギリギリ、というか荒唐無稽なんだけど、バーフバリはすごい男だからそういうものかって思っちゃうんですよ。
 
鑑賞のコツは「ええっ、そんなんなる?」とツッコミたがりの自分がささやいてきたら早めに首チョップをして気絶させることです。これだけ上映時間が長いとそのうち目を覚まして「いやいや、背骨折れるやろ」などと抜かし始めますが、もう一回首チョップしてください。オレじゃなきゃ見逃しちゃうくらいのスピードでやってください。そして目の前で起こるすべての事象に身をゆだねてください。
 
「伝説誕生」上映のあと、カップルが「めっちゃ笑ってたやん」「おかしくて笑ってたんちゃうねん!すごすぎて笑ってたんや!」と会話してて「それな」と思った。
 
・音楽
 
物語の折々に挿入される歌がかっこいい。みんな大好きダンスシーンももちろんある。歌がさらに叙事詩っぽさを補強していて、たまに現実に返りそうになる心をしっかり掴んでいてくれる。映像とのマッチ具合も超かっこいいです。ちなみにAmazonPrimeに1・2両方のアルバムがあるので、今日はそればっかり聞いています。バリバリバリ・バ・フ・バ・リ!!
 
一個だけネタバレすると、(以下反転)「王の凱旋」の白鳥船のシーンすごくなかったですか??「恋やろが!恋するとこうなるやろが!」という作り手たちのテンションがビリビリ伝わってやばかった。「ラ・ラ・ランド」の天文台のシーンがあっさり塩味に見える
 
・キャラクターが全員やばい
 
前評判ではとにかくバーフバリがやばい、バーフバリのイケメンさやばい、やばい神みたいな感じで、そんなに…?と思ってたけどほんとだった。
 
バーフバリの王としての風格が物語の推進力であり、また呪いでもあり。民衆がメロメロになっていく様がめっちゃおもしろいが、おもしろいと思った瞬間ハッと気付くと自分も民衆のひとりになっている。超人的な所業もバーフバリならオッケー!CGや演出の力はあれど、この説得力を持たせた役者さんはすごい。
 
日本のドラマ映画にあんまりいないタイプのかっこよさで、絶妙にムチムチしてますよね。かわいいしかっこいい。あと何本かインド映画を見ていて、向こうのいい男像にはどうも、筋肉質で紳士的というのに加えて「いたずら好き」が含まれてるように感じる。トンチの利いたいたずらで女性をびっくりさせて、相手が「キャッ!もう~。ウフフ」となったら大体、惚れてます。ウィットを見せつけるんや。
 
バーフバリ以外のキャラクターも相当だった。
 
最大の悪役、バラーラデーヴァ。マヒマシュティ王国の現国王。インド映画の悪役ってほんとに華ですね、主人公と同じくらい大事なキャラクター。「マッキー」の悪役も大好きだったんだけど、後で調べたら「マッキー」と「バーフバリ」は監督が同じだった。そうですか…。
 
バラーラデーヴァの妄執はすさまじく、清廉潔白なバーフバリとの対比はまさに月と太陽。バーフバリの徳の高さってちょっと人間離れしていて、その点バラーラデーヴァの燃えるようなコンプレックスや登りつめても満たされない心の飢えは人間らしい。いや王族だしバーフバリと同格の戦士なので十分人間離れしてるんですが…上映後に「あーおもしろかった!」だけではない、しんみりした気持ちになるのは彼のおかげだと思う。
 
ふたりのヒロインの活躍も素晴らしかったです。何がいいって戦闘シーンがある!そしてめちゃくちゃ美しくて強くてかっこいい!特に「王の凱旋」デーヴァセーナの戦闘は大興奮。ポスターにもなってるあの場面。拳握っちゃったもん。マッドマックスFRでフュリオサがマックスの肩で銃固定して撃つ場面くらい興奮した。デーヴァセーナはセリフもキレキレなんですよ。キレすぎてたまにやめたれやってなる。
有名な「切るべきは首だ!」の場面に代表されるように、女性の扱いについて工夫されてるなと思った。
(王族の)というカッコ書きがつくものの、 デーヴァセーナの言動は割と現代寄りです。
 
カッタッパ。カッタッパはね、出てきた時はなんだこの食わせ者っぽいジジイって思ったのに、泣いちゃった…ちょっとコミカルな場面もあったりして、それでぐっとかわいく見えて、そのあとに…物語の核心に触れるからあんま言えない。見て!!
 
書ききれないんだけど国母シヴァガミやビッジャラデーヴァ、クマリもよかったです。それぞれの人生。
 
以上、どこかの誰かがすでに1000回くらい書いてそうな感想だけど関係ない。劇中でも1万人くらいのみんなが「バーフバリ!」って自分の口で称えてたしな。
 
Amazonの配信などでもすでに出回っている2作だけれど、絶対劇場で見た方がいいです。
まず長いので自宅だと集中して見るのが大変だし、アクションは大画面の方が断然いい。
すさまじい顔力(かおぢから)を全身に受けて座席に釘付けになること間違いなし。
 
あと個人的にインド映画は大人数で見る方が楽しいと思っていて、雨粒のごとく降ってくるつっこみどころを観客全員のスピリットで受け止めることによりバイブスが上がって一体感が生まれるみたいな作用もある。
 
隣の席の人がわりとリアクションするタイプで、いいシーンではグス…グス…と泣いているしトンデモアクションシーンではハッ…と口に手を当てるしで「わかるよ!」って手をとりたくなった。
 
終わったらびっくりすることに20時だったんだけど、出町柳駅までの道すがら明らかにテンションおかしくなっている人たちが自分たちを含め数組いて面白かった。
すでにもう1回見たい。できたら次はマサラ上映(鑑賞中声を上げたりクラッカーを鳴らしたりしてもいい自由な上映)で見たい。
 
出町座の混雑状況について。
 
平日の火曜日、上映の1時間半前にチケットを買ったらすでに7割方埋まってました。席数は40~50くらい?
17時半からの「王の凱旋」は席が足りず、折り畳み椅子で増席してたので、休日狙うなら早めがよさそうです。
 
あとこれ大事なんですが、一気見上映は2本で2500円です。やす‼マヒマシュティ王国への渡航費安くない!?
 
出町座は3/23まで。梅田のシネ・ヌーヴォは3/31からやるっぽいけど、関西はだいたい上映終了しています。
 
くり返すけど気になるなら迷ってないで絶対見た方がいい。損はしない。この機を逃すな。
 
これをたまたま読んでくれた関西住みの君に言ってるんやで!頼むわな!!ほな!!!